フッ素について
①フッ素塗布、②フッ素入りの歯磨き粉、③フッ素洗口液の利用は小児に特に有効です。
しかし、大人には無効という事ではありません。
中年以上の方に特有に生じる根面う蝕(根元虫歯)に対して、フッ素は予防効果があります。
https://minds.jcqhc.or.jp/n/cq/D0003336
根面う蝕は、自覚症状が乏しく、急速進行性で、多発性の虫歯である事が多いです。
歯の根元部分を入念に歯磨きして頂くのと、定期的に歯科医院でチェックを受ける事が重要ですが、
フッ素を使って頂くのもお勧めです。
また、入念に甘い物をあまり摂取していないし、歯磨きもきちんとしているし、定期的に歯科医院で
クリーニングをしているのに虫歯ができる方もみえます。これは、歯の質の強さが影響している事が多いです。そういった方にはフッ素を利用する事をお勧めします。
フッ素の利用には3つの対応方法がありますので、ご紹介します。
①歯科医院での高濃度フッ素塗布
歯科医師と歯科衛生士のみが使用できる高濃度フッ素(9000ppm)
の塗布も有効です。虫歯リスクに応じて1ヶ月〜6ヶ月毎に塗布します。
歯科医師の判断で使用可能年齢であるかどうかを判断します。
健康保険の改定で、歯科医院でのフッ素塗布の保険適応範囲が広がっています。
歯科医院の施設基準や初期虫歯の状態によって費用が変わりますが、
3割負担の方で1回780円程度です。
※車のコーティング剤とは違って、塗布しておけば一定期間その薬剤が持つというものではありません。あくまでも虫歯リスクを低減させる目的のものです。
使用ペースについては歯科医師が総合的に判断します。

②フッ素入り歯磨き粉
以前は1000ppmまでの濃度までしかフッ素を含有できませんでしたが、
規制が緩和されて1450ppmの商品もございます。
これによって、虫歯予防の効果が上昇しました。
ただし、6歳以上が使用可能年齢ですのでご注意下さい。
歯科医院で塗布するフッ素とは濃度が異なりますので、使用方法が異なります。
③フッ素洗口液
歯ブラシや糸ようじ(フロス)、歯間ブラシの適切な利用は大変重要なのですが、現実問題として磨き残しをゼロにするのはほぼ不可能です。
その為、虫歯予防用に開発されたうがい薬を1日1回使用する事をお勧めします。
使用可能年齢は4歳以上などとなっていますので、購入先の専門家に確認して下さい。
参考となる商品をご紹介します。(この2つは薬局でのみ購入可能です。)



フッ素に限らず医学は答えが1つだけあるわけではなく、様々な見解がございます。
予防歯科について日本で最も権威がある学会の見解をご紹介しますので、
ご参照頂ければと思います。